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PROJECT STORY
IoTプロジェクト

現場を変え、業界を変える予感。
IoT機器の
実用化プロジェクト推進中!

ガソリン計量機で国内トップシェア、海外でも3位を誇るタツノだが、その地位に安住していては前に進めない。100年以上のタツノの歴史の中で、先輩たちが技術を磨き、これまでにない製品や市場に目を向けてきたように、これからを生きる今の社員たちも、常に新たな技術や価値創造に取り組み、新たな道を切り拓かなければならない。
そうした決意を込めてスタートしたのが『新製品検討プロジェクト』である。現在は『IoTプロジェクト』に発展し進行中だ。プロジェクトに参加した設計部電子グループの4名の技術者から、現在に至る流れを伺った。

PROJECT MEMBER

設計部 電子グループ

ソフトウェア設計

Y.S

2004年入社

ソフトウェア設計

T.O

2003年入社

回路設計

I.M

1994年入社

回路設計

Y.I

2006年入社

タツノ製品×インターネットの
可能性を探る

設計や営業等、社内の幅広い部門からメンバーが集まり、成功事例や改善、夢などを語り合う場としてスタートした『新製品検討プロジェクト』。スタート時から参加しているY.Sは、「これからのタツノで何ができるか、割とフワッとしたところから考え始めました」と振り返る。
近年『モノ』とインターネットを繋ぎ、これまでにない機能を付加し、社会全般をより便利にしようという気運が高まっている。新製品検討プロジェクトにおいても、これからの新製品にインターネットとの連動は欠かせないと判断し、1年後、プロジェクトは『IoT化検討プロジェクト』に発展。IoTに特化した技術開発にフォーカスを当てていくことになった。この段階から、O.T、Y.I、I.Mもプロジェクトに参画。設計チームとして、Y.SとT.Oがソフトウェア設計、I.MとY.Iが回路設計を担当。その他、製品設計、品質管理、生産技術、営業、カスタマーサービス等、10部署20名のメンバーが参加してプロジェクトが進められた。

タツノの製品とインターネットを繋げた場合、具体的にはどんなことができるのか。「ガソリン計量機から集めたデータを解析すれば、例えば故障を予測したり、故障発生時の遠隔対応に活用することもできるでしょう。現状では、サービスエンジニアは故障の連絡を受けてから現地に向かい、必要な部品を発注し、部品が届いてから、再度、修理訪問するため、修理完了まで2~3週間かけていますが、修理期間の大幅な短縮や、故障前の連絡や部品取り寄せも可能になります」とT.Oは説明する。
この他に、ガソリン計量機とドライバー・車の情報を紐付けることができれば、計量機の前に車が停まるだけで自動的に給油量を量ったり、キャッシュレス・カードレスでの支払も不可能ではない。しかし、まずは技術面や採算面から現実的な提案を考え、メンテナンス体制の強化につながる企画を経営陣に提言した結果、プロジェクトは続行。2年後からは『IoTプロジェクト』として新たなスタートを切った。

前例のない開発、
立ちはだかるいくつもの壁

IoTプロジェクトは、製品に組み込み可能なIoTモジュールを設計・開発する『システム開発プロジェクト』からスタートした。この段階になると机上のプランに留まらず、ソフト・電気回路・機械の各設計図面の作成や、それを元にした試作品の製作、動作確認、評価などが行われるようになる。プロジェクト全体を統括するY.Sは、「前例のないシステムであるため、経営全体にどれくらいプラスのインパクトを与えるか未知数です。そこで経営陣に、現状とIoTシステム導入後の効果を、シミュレーションを用いて比較し、費用対効果をアピール。研究開発への先行投資を働きかけました」と語る。

回路設計の立場から部品の調達や製造部への指示等を担当したI.Mは、「世間全般でIoT関連の技術開発や生産が盛んになり、電子部品の供給が逼迫しています。その中で、IoTプロジェクトで実現したい技術に対応できる質の高い部品を安定供給できるメーカーを探し出さなければなりませんでした」と苦労を語る。
さらに、既存の製品にIoTモジュールを組み込む段階では、Y.Iの役割も大きくなる。「今ある製品の中に新たなモジュールをどう組み込むのか。しかもガソリンスタンドにある全てのガソリン計量機に対応させる必要があり、対象機種は膨大な数になります。仕様も多岐にわたるため、ある程度パターン化したものを構成し、それを組み込もうと考えたのですが、どのようなパターンがベストなのか、パターンの見極めに労力を費やしました」。
この他にY.Iはインターネット接続に欠かせない電波強度の性能確保のため、アンテナの選定や測定等を幅広く担当。今後、商品化された時に必要な基準作りにも取り組んだ。

ソフトウェア開発のT.Oは、ガソリン計量機の導入先や導入機種などの社内の既存データと故障データを連動させ、地図上で一覧表示させるインターフェース開発を担当。「以前、クラウドにデータを飛ばして画面表示させるソフトを開発したことがあり、その時の経験が活きました。また誰もが直感的に使いやすいように、ボタンの配置などユーザビリティに配慮した表示にもこだわりました」。

夢の実現に向けて
IoTプロジェクトは
量産化フェーズへ。

現在は『IoT量産化プロジェクト』として、IoT機器を量産し、ガソリンスタンドのガソリン計量機に組み込む段階に進んでいる。今後は、設置箇所を増やし、集めたデータから何を解析するかを決めなければならない。解析にはAIの活用も検討しており、今後はAIに対する研究も必要になってくる。
「まずは多くのガソリンスタンドに開発した機器を普及させること。解析に有効なデータ量を増やすためにはこれが欠かせません」(Y.S)。
その一方で、実際に稼働させると、工場内での動作確認では生じないトラブルが発生したり、さらに欲しいデータを得るには新たな機能追加が必要になるかもしれない。まだ道半ばのプロジェクトをメンバー全員がそれぞれの立場から見守っている形だ。

プロジェクトスタート時から関わっているY.Sは、「以前からガソリン計量機をインターネットに繋げたいと考えていたので、ようやくその夢を形にできるステップが始まったという思いです」と、ここまでの道のりを感慨深く振り返る。
I.Mは、「サービスエンジニアや営業が使いやすいものを目指してきたので、早く現場から『これはいいものだ』という声が聞きたいです。そのためには、さらに改善する必要も出てくるだろうし、まだまだ先は長いですよ」と気を引き締めた。
T.Oも「当初の目的通り、サービスエンジニアなど、現場作業の軽減に繋げてほしい。そのための機能改善にも前向きに取り組みたい」と語る。
Y.Iも思いは同じだ。「IoTはデータを集めるためのツール。使い方次第でシステムの価値が上がりもするし、下がりもします。価値を上げるために自分にできることをコツコツとやっていきたい」(Y.I)。
近年、IoTという言葉ばかりが先行し、実用化まで至っているケースは数少ない。その中にあってIoTプロジェクトは、タツノのサービス体制にイノベーションを起こし、新たな価値を生み出すものと期待されている。それは業界全体にもインパクトを与えることになるだろう。そうした期待に応えるため、ここに登場した4人をはじめとするプロジェクトメンバーは、将来を見通しながらも足場を固め、地道に新たな道を切り拓いている。

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